「………あの赤髪野郎…そんな指示を出してたのかっ」
くくっ、と苦笑した真ちゃんは、タイミング良く鳴り出した着信画面を。
ちらりと、私に見せた。
「うるせえ奴だなぁ」
何度掛けてきたって無駄だっての。
真ちゃんは、隣に座った私の腰を引き寄せると、静かにしててョ、って。耳元で。
囁いた。
ふと、この前の、唇の接触を思い出して。
耳元で、ようやく着信を受けるキーを押す音がして。
蜜は!?、と急に聞こえた哲の声に、びくりと体が強張った。
「も~なにョ、好きにすれば良いって言うから、好きにしてんだよ。邪魔すんなって」
耳の後ろから、髪に指が通る。
ぞくり、と。
熱い指の感覚と、漏れ聞こえる、私の、名前。
蜜に代われ
蜜に触るな
どこにいる、と。
蜜、蜜、蜜。
わざと聴かされているような、哲の声は、私を呼ぶ。

