「ほら」
しっかりと手を握られたまま、引っ張られた。
どうしてか、嫌じゃない。
遼の時のような、感覚じゃ、ない。
目の前に広がる、イルミネーション。
青と、白と、柔らかい火の色とが、アーチを作っていた。
何処にいたんだろう、というくらいのカップルと親子連れが、さほどのざわめきもなく、静かに、ゆるゆると。
「真ちゃん…」
私は、ぎゅ、と。
指を握り返し、その金髪を見上げて、綺麗だね、って。
…でも。
お願い。
せめて団長に、電話させて?
きっと、待っててくれてるから。
「哲に掛けちゃ駄目ョ?」
「……………ん…」
哲。
哲。
どうして私のこと、真ちゃんにあげちゃったの?
私の携帯は、真ちゃんが持ったまま。
バイブレーションも鳴らさないマナーモードのまま返された。
画面に映り込んだ、青のイルミネーションは綺麗だけど。
なんだかひどく、心がざわめいていた。

