重たい革のコートは、真ちゃんに着せて、私は真ちゃんが着ていた、ライダースジャケットのような、丈の短い物を借りた。
どこだか解らないけど、景観は綺麗だ。
季節が良ければ、花が咲き乱れる事が、よく解る。
「お?やっと少し嬉しそうな顔した」
ぐるりと周りを見回した私の顔を、わざとらしく覗き込んで真ちゃんは、とりあえずこっちこっち、と。
私の手を取った。
真ちゃんの手は、いつも熱い。
シルバーのリングの硬さを、指の間に感じるけれど、真ちゃんはいつも、誰かと手をつなぐとき、こうして指を絡めるんだろうか。
こうやって強引に、さも当たり前のように、手をつなぐんだろうか。
哲は。
私と手をつながない。
時々、方向転換とかで肩を抱くけれど。
時々、抱えるようにして、頭を撫でるけど。
私が抱き付けば、支えるように、背中に手を添える、けど。

