ゴネてゴネて、結局は最初の1足だけを、買った。
会計の時に、財布の中身を強引に見た。
「……私の月給くらい……?」
「現金はそうかもな」
「…………やっぱ真ちゃんは死ねばいいと思うよ」
「…マジひでぇ女だな。乳ねぇくせに」
「ちっ…乳ねぇって言うな!」
行き先は、解らない。
解らないけど、真ちゃんは決めたみたいだった。
高速に乗って。
真ちゃんの携帯が、何度も何度も、マナーモードの振動を鳴らす。
一向に応えようとしない真ちゃんは、一体何を考えているんだろう。
今頃哲は。
……どうしてるだろう。
車が。
広い、広い、緑の森のような。
テーマパークのような、公園に乗り入れて。
そのままゆっくりと、洋風の建物のそばの駐車場に、停められた。
冬の午後は暗くなるのが早くて。
辺りはもう、だいぶ夜だった。

