「さて、どこ行こっか」
ちらりと哲の赤い髪が見えた気がするけれど、真ちゃんはわざとスピードを上げて、大通りまで、走り抜けた。
哲は車を持っていないから、もし追っても、絶対に追いつかない。
真也と2人になるな、あっさり食われるぞ、って。
前に言ったことがあるけど、そんなわけないじゃん、って私は笑ったっけ。
「……帰りたいから帰る」
「それは駄目」
なんで駄目…………
「でも今日、練習ある」
「ないない」
…なくないよ。
あるんだってば。
団長と雪音ちゃんと、約束したもん。
真ちゃんは、いつも割と強引だけど、こんなにまでしたことは、ない。
「……真ちゃん」
とりあえず言ってもいいかな。
「私、上着も着てないし、靴もない…んだけど」
すでに寒いよ。
なんのつもりだ。
これじゃこの前の遭難と変わらないじゃないか。

