朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~



「ちょっ……やだ、降りる!」


真ちゃんの金髪が、指に絡む。

行き場のない両腕で、よじ登るように、首にしがみついた。


…リアル姫抱っこで階段降りるって、すげー怖い、なんて。

しがみついたおかげで、落ちる心配だけは無くなった私は、真ちゃんが階段を降りる間、暴れないように、下を見ないように。


じっとしていた。



真ちゃんはいつものように楽しそうで。

こんなに近くで、耳のピアスを見たことはなかったけど、哲の物とは違う質感に、なんだか悪いことをしているような不安感に、苛まれた。




「真ちゃん……私、行かない」


助手席のドアから、押し込められるように車に乗せられて。



「駄目だよ」


悪戯っぽく笑う真ちゃんは、そのままドアを閉めると。

運転席に滑り込んだ。




「哲!!!貰ってくからな~!」


ドアを開けたまま、哲の部屋へと叫んだ真ちゃんは、やっべ、もう出てきた!と。

慌ててドアを閉めると同時に、急発進、させた。