「…蜜、そんな…怖がられると…いい加減、傷つくんだけど」
頭を上げることも、逆に俯く事も出来なくなった私の頭上で、抑えられた、哲の声。
ちょっとこっち見なよ、って。頭に置かれた右手に、力が入る。
私は必死で。
首を横に振った。
どうしよう。
…どうしよう!
「…………蜜」
頭を上げさせることを諦めたのか、哲は手をそのままに、少しかがむ。
視線が、もろに。
哲の目と、ぶつかった。
咄嗟に、哲の胸を押し戻し、それ以上来てくれるな、と。
私は虚勢を張ったつもりでいたけれど。
実際は、全て呑み込まれたような、絶望感と。
全て呑み込んでくれそうな、期待感にも似た思いとに混乱し、きつく目をつぶったまま、尻餅をついたようにへたり込んだ、だけ。

