団長が、では夕方、入り口で待ってますね、と。
過呼吸すら起こしそうに鼓動の乱れた私に微笑みかけた。
私は、よろしくお願いしますとも、ありがとうございました、とも、うまく言えなくて。
不自然なほど慌ただしく、ドアを閉めた。
あぁ…あとで団長と雪音ちゃんに、謝らなきゃ…。
私、今日は謝らなきゃならない人がいっぱいいるんだ……。
「……アップルパイ、作らないと…」
突き返されたら、捨てればいい。
だけど、約束だから。
みんなに小さく一切れずつ。
遼にはワンホール。
守ったらかえって気まずくなりそうな約束に、なっちゃうなんて。
私、きっとこの先、アップルパイを焼く度に、遼を思い出す。
哲と雪音ちゃんが並んで話し込む姿を、思い出す。

