「退団を認めるのは、僕的には……イヤなんですよ」
イヤ…って。
私だってイヤなんですよ、と、思いはするものの、口には出さなかった。
ああ、最近の私。
言いたいこと、口に出せてない。
哲にだって。
一緒にごはん食べようよ、程度の事すら、言えてない。
「蜜サンは、うちの花形ですからねぇ」
ほら、夏に入った高校生の男の子、いるでしょう?サックスの。彼、去年のイベントで蜜サンがふざけて吹いた…正露丸のテーマに感動して、入団を決めたんですよ。
蜜さんのあれは素晴らしいですからねぇ。
…なッ!!!!
よりによってラッパのマーク!?
「…団長ぉ……嬉しくない…」
私はテーブルに突っ伏した。
この人、真剣な顔して残念だ。
婿様とは違ったタイプの残念さ加減だ。
そりゃ私の正露丸のテーマは…練習したし完璧だけど…。
完璧だけど…!!!

