「…蜜サン」
団長の発音は、どことなくカタカナっぽい。
外見のせいかも知れないけど。
白色人種っぽい肌色に、髪も髭も………腋毛も胸毛も暗めの茶色で。
黒なんだけど黒じゃない目で話す仕草も、大振りで。
…どうも要所要所をカタカナで喋っているような気がする。
いや、日本人だけどね?
「高崎とは…お付き合いしてないんでしたよね?」
そう。
以前に茶化されて訊かれた時には、完全否定した。
今でも、完全否定だ。
…けど。
「彼を、手酷く振りましたか?」
団長の声は、穏やかだ。
歳は幾つくらいだろう。
小学生の息子さんがいるから、……40くらい?
この息子さんがまた可愛い。
というか可愛くない…というか。
ガチャガチャで出た玩具を、時折トレードする仲間……というか……
「蜜サン!」
「…………………」
………わかったよぅ。
ちゃんと、話す。
でも、雪音ちゃんには、聞かせられない。
ごめんね。
聞かれたくないんだ。

