正直、翌朝、来てくれなかった時は、眠気も一気に醒めるくらい、落ち着かなかった。
哲は、電話とメールとで、私の起床を確認し、靴下はもう自分で履けますから、って。
要は、来なくて良い、という意味のメールを、寄越しただけ。
やっぱり。
やっぱり。
私が哲を好きになったこと、知ってるんだろうね。
哲の性別は男だから。
もし私が、据え膳よろしくすり寄ったりしたら。
有り得ない、けど。
…言い切れない。
距離を離していかなきゃいけないよね。
だって。
だって。
私、今の仕事、辞めたくないし。
哲の顔、見れなくなるような事に、したくないもの。
土曜日の朝。
鳥の声を、初めて本気で鬱陶しいと思った。
喧嘩したわけでも、叱られているわけでもないのに、息が、苦しい。

