朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~



「な…なに怒ってる?」


こういう時は……
いつもなら、私どうしてた?

確か…どーんっ、てお腹か背中に飛び付い…


……………な…何てことしてたんだよ私ッ。




「…………別に?」

「…………」

「や、マジ怒ってねーよ?」

「…そ、そう?」



駄目だ。
怒ってないにしても怖すぎる。


哲は、何かを言い掛けているかのように、少し唇を開けたけれど、結局はそのまま、閉じて。

視線を外した。



「具合、は?」

「大丈夫。仕事できる」

「…夕方、熱上がるかも知れないから、薬は飲めよ?」

「大丈夫だよ」

「……飲めよ?」



………わかったよぅ。
そんな睨まないでよ…。


哲は、コンビニの袋を持っていた。

当たり前のようにテーブルに中身を並べる哲の赤い髪を、なんだか悲しいような気持ちで。

じっと、見つめた。