少し、息が切れてきた。
きっと、軽い風邪だ。
茶碗蒸し、美味しく食べたかったな。
部屋に戻り、再びおでこに手を当てられた。
一瞬身構えた私の反応をどう思ったのか、哲は目を逸らすと、私の食器棚から、風邪薬の瓶を取り出した。
「なに、そんなに熱あるん?」
哲と一緒に私の部屋に来た真ちゃんが、
………しっ…真ちゃ…が……!?
私の頬を両手で抱えるようにして、おでこに。
…おでこをくっつけた。
「………………………」
「……気まずいんで悲鳴とか上げてもらえますか」
「………………………」
「…蜜~?」
「……………………」
私の目は開いたまま。
至近距離の真ちゃんの鼻先が、ちょん、と…?
掠めた。

