三曲目。
なかなか、好きなバンドかも知れない、と思いつつ。
私は少し、音に飽きてきた。
確実に、具合が悪かった。
頭蓋に反響する音は、気分が悪いときには、感情までもを巻き込んで騒音となる。
多分、体調の良いときならば楽しめただろうに、勿体無い聴き方をしちゃった。
そろそろ聴きたくないな、と、ちらりと真ちゃんを見れば、真ちゃんも私を見ていて。
一気に不安になって哲を見れば、哲も、私を見ていた。
「なっ…何…」
迷わずイヤホンを両方外した私に、真ちゃんは、わざわざ呆れたように、ため息をついた。
「…貧乳のくせに………」
「………………」
…なんだそれッ!?
わざわざ今、内緒話をした挙げ句に、なんたる暴言!
「只今絶賛底上げ中」
哲!?
なんで、このキャミソールが底上げ仕様だって知ってるんだ!!
…あぁ~…目が回ったじゃないかぁ…。

