「…ま、いーけどな~」
それより俺、週末はハンバーグがいいなあ、なんて。
パキッと切り替えて大袈裟に笑う真ちゃんは、ちょっと……かっこいいと、思う。
歳は、哲よりも上だったはず。
だから、若いかっていうと、そうでもない。
自由業と言うか、自営業と言うか…なんだかいつも遊んでいるように見える真ちゃんは。
今時、海外の音楽雑誌でしか見かけないような、パーマのかかった長い金髪で。
体中にタトゥーがあって。
体中に、ピアスが、ある。
多分、どっかおかし……
ぃや……うん。かっこいい。
「ハンバーグ?」
………ダシは?
「…アメリカってハンバーグの国かと思ってた」
「あながち間違いでもない」
だから大根おろしとか乗ったヤツがいいな。
「ああ、なるほど。じゃあ…日曜日……で、いい?」
哲と違って、真ちゃんは明確に希望を述べるから、とても楽だと、思う。

