朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~



「蜜は俺が…ッ…」

哲を跳ね除けるように身を起こした遼が、私をも睨みつける。



俺、が?


その後に、何て言うつもりだったのか解らないけれど、吐き出すように叫んだ遼の目と。

哲の、私を見ない横顔。



真冬の冷たい空気だけのせいじゃなく、私は震えるしかできなくて。



哲の。



「てめぇにだけは、やれねぇんだよッ!!」



低いけれどハッキリと聞こえたそれと。


どんだけ苦しめてるか解ってんのか!
どんだけ泣かせたか気付きもしねぇのか!


蜜は!!

俺が、…好きなんだから。





ひゅっ、と。


私の喉に、冷たい空気が流れ込んで。



全身の…血が凍ったような、気が、した。