「…蜜」


………な、に?



「蜜、どこで寝てんだ馬鹿」


……どこ?

えっと…………布団?




「起きて帰れって」

「…えぇ~………」


「えー、じゃねぇよ…さすがにダメだって。無理だって」



…あ?

私、誰と喋ってる?



「蜜~頼むよ、帰ってくれって」


「…なん、で哲が……い…」

るのかなー?
もしかして死んじゃっ……

………
…死んじゃったとか!!!!?


やだちょっと待って!


「死、んじゃやだ…」

「死なねーから。起きろって」



…死なない。
…そうか、良かった。

哲は死なない。うん。

なら問題はない。おやすみなさい。
私はどんな夢見てるんだ。




「…蜜っ!」


「も…少し…あ、れ?…哲?」



目の前には、入院中の哲がいて。
怒ったような顔なのに、思い切り視線を逸らした顔が、今、私がどこに寝ているのかを、ハッキリと思い出させた。