いつの間にか、朝だった。


テーブルの上で、マナーモードのままの携帯が、びっくりするくらいの音を立てて、震えていた。



「………だれ?」

表示されていたのは、知らない番号。



…もしかしたら、哲の病院?

哲の指、やっぱりつかなくなっちゃった…とか?

半分寝ぼけたような頭で、そう思って、いつもは出ない、知らない番号からの着信を、受けた。




『……倉橋さん、ですか?おはようございます』



………………なッ…!?



『朝早くすみません…哲也が』



………て…ッ




『この時間に、倉橋さんが出るまで電話をかけてくれ、と…』




……て…哲…ッ………!!


あんた……

父親に…なにさせとんのじゃあああああ!!!!