「重いから、嬢ちゃんはどいてな」
シゲちゃんが、押し退けるように私をどけて、モーター部分の蓋を外した。
おお…老いた変態、力持ちだ…。
まもちゃんも、覗きに来る。
哲は、確かその型のベルトあったなぁ、と呟いて、倉庫に消える。
磯辺さんは、淡々と自分の仕事をこなしているのかと思ったら、咥え煙草の煙が目に染みたのか、ただ悶えていた。
「い…磯辺さん…煙草持っててあげるから…」
だから、それ一個早く終わらせて、ゆっくり吸い直しなよ…
げっほげっほ、と今度は咽せたのか、磯辺さんは頷きながら、私に吸い指しを渡した。
「哲!あったのか!?」
「今捜してる!」
「遅ぇんだよ哲!」
「うるせぇなジジイ!」
………
げっほげっほと咽せる磯辺さん。
淡々と裂けたベルトを外す、まもちゃん。
がなるシゲちゃんに怒鳴る哲。
ああもう………
私の職場はうるさくて。
ほっと、する。

