「ああん?あったかなあ…どうした?」
私は、重たい旋盤のモーター部分を覆う蓋をずらし、隙間から覗き込む。
「あ、やっぱり、ベルト裂けてる。ちょっとだけど」
部品を連動させるための、ゴム製のベルトに、亀裂が入り、大きくささくれのようになっている。
完全に切れる前に、取り替えないと。
「哲!ちょっと婿様んとこ行って聞いて来てやんな!」
シゲちゃんは、口だけが悪い。
顔立ちはいいし、実は優しいし、若い頃はさぞかしモテたんじゃないかなあ。
でも私は知ってるよ…。
シゲちゃんが、古いビデオテープのAVを、大事に倉庫に隠しているのを。
それも、若いお嬢さんが借金のカタに系と、もっともっと若いお嬢さんに擬似卵を産ませる系。
……え、わからない?
まあ…
……結構ハードな変態だってことだ。

