「俺が座っていた王座にふんぞり返って、俺はというと王座から陥落して背中に負け犬の烙印…さぞや笑いが止まらんだろうぜ」

「……」

その言葉を聞いてはじめて、羅刹は振り返る。

…不動の表情は憤怒に満ち満ちていた。

「てめぇ、今どんな顔してんだ?その鬼の面取ってみろよ」

「取らずともわかろう」

羅刹は呟く。

「俺とお前は、同じ血肉を分けた兄弟なのだからな…『弟』よ」