話し終えると私は涙でぐしゃぐしゃになっていた。

「奈未……」

咲羅が私をギュッと抱きしめてくれる。

「奈未……私……いつでも力になるね……?」

夏恋は私と同じ状態になっている……。

「奈未……いつ言うんだ……?」

遠慮がちに咲羅が聞いてくる。

きっと海斗の事だろう……。

「今日か明日……何て言おうか決めてないけど……近いうちがいいでしょ……?」
「うん……海斗くんは奈未の大切な人には変わりないからね……」

だから……怖いんだ……。

これ以上海斗と距離が出来たらって……。

でも……くよくよしてる暇はないんだよ……。

私にとって海斗も春樹も大切な人だから……。

「でも海斗と最近喋ってないんだろ?」

そう……私はあの日以来海斗と喋ってない。

登校や帰宅は同じだけど……。

喋るのが怖くなっている……。