「……ぐっ…やるじゃねぇか。女のくせして」

「どいつもこいつも女、女。腐ってるわー、
お前ら全員。
男女差別はそんなにおいしいですかー」

額を押さえ、恨めしげに睨んでくる男を、
あたしは鼻で笑いながら竹刀を構え、腰を落とす。


「フン」

男はそんなあたしを更に馬鹿にしたように鼻で笑いながら、刀を構え直した。

「女だからと、手加減すると思うなよ」

「ハッ。そんなモン無用だバーカ。女ナメてっと痛い目見んぞ」

「抜かせ。……うおお!」

向かってきた男の刃をヒラリと交わして、身を翻してまた構える。


「女にしてはやる方だ。だがしかし、やはり
所詮は女よ。竹刀なぞで真剣に勝てるものか。
貴様は逃げるだけで精一杯ではないか」

下品に笑う男を無表情で見つめ、話をガン無視したあたしは、唐突に問うた。


「アンタ母親いるの?」