「あー。ダルい」 首を左右にゴキゴキと鳴らす。 そして欠伸をしながら俯いていると、 ガタガタガターンッ 「………?」 「夜襲だ!」 夜襲? けたたましい音の後、聞こえた怒鳴りような叫び声。 障子の傍にいた斎藤が立ち上がり、離れ様に、 「逃げるなよ」 と言い残し足早に姿を消した。 「……逃げねーし」 何だよいちいち腹立つな。