「ギャンギャン騒ぐしか能がないのなら寝たらどうだ。もう夜四つだ」 夜四つて何。 日本語通じねぇよ。 「こんな固い畳じゃ眠れませんー」 「布団がないんだ。文句を言うな」 「言ってるつもりはありませんけど」 「そうか」 この人やりにくい。 あたしはため息をついて転がると、横向きになり腕を枕にした。 起きててもすることないし。 読んでた本は三回ぐらい読んだやつだし。 斎藤君は喋ってもつまらないし。失礼だけどね。 「……寝たのか」 寝てねぇし。