「何がオカシイんですかー」 ムッと不機嫌に永倉を見る。 「お前が清々しいくらい口が達者だからな」 「そりゃあーどうもォ」 あたしは四つん這いで歩きながら部屋を出て、永倉の隣に腰掛けた。 「何当たり前みたいに部屋出てんだよ。入れ」 「永倉さんが寂しかろうと思って」 「嘘こけ。寂しいのはお前だろう」 「そーですよ」 素直に認めたあたしを、永倉は横目にチラリと見て、視線を戻した。 どうやらこれ以上は言及しないらしい。 「……知ってるんですよねー」 「何が」