「……スッゲ━━ありがた迷惑なんですけどォォ
!!!!」



「……は?」

あたしの叫びに永倉は間の抜けた声を漏らした。


「ふざけんじゃねーよ土方ァ!余計な気ィ回しやがって!
同情なんかいらねー、スパイの嫌疑かけられながら住み着いて飲む茶ァや食うメシが上手いとでも思ってんのかァァ!!!!
そんな憐れみに満ちた居場所なんかいらねー!」

「うるっせーよ!ギャーギャー騒ぐな!」

これでもかと錯乱するあたしに永倉は障子から顔だけ出して怒鳴り付ける。

「お前、バチ当たりな奴だよ。言えば恩人だろ?あの人コケにすると天罰が下るぜ」

「悪口言ったくらいで罰与えるような恩人いらねーや。死んじまえ」

「ホンット口悪ィな」

呆れを通り越しておかしくなったのか、クツクツと笑う声が聞こえる。