バタン。 視界が黒一色に染まる。 「……はぁ…」 夏前だというのに、夜だからか蔵の中は肌寒い。半袖の袖から剥き出しの腕をさすった。 「…萎えるなぁ……これは」 体育座りした膝に腕をのせ、顔を埋める。 暗くてよく見えないが、腕や膝にはどうやら土が付いているようだ。 暗闇に独りはきつい。とてつもない孤独を感じてしまう。 夜の闇は好き。でも、暗闇は嫌い。 ふたつは似ているようで、全く違う。 「……何てね。何言ってんだろ、あたし」 自嘲的な笑みを浮かべ、あたしは強く目をつむった。