武士道セブンティーン!!



「分かるか?」

「うん。でもやっぱ隙はないよね」

「………」


山崎は眉を寄せて考え込むように黙り込んだ。

あれ?なんかマズイこと言った?


「…………俺のホンマの武器は香取流ていうなの棒術や。
だから剣術はそんなにうまくない」

「棒術?」

「雑に言うと槍みたいな長さの棒を振り回してる感じか」

「ホントに雑だね」


なんかよく分からないけど棒を振り回す感じなのは分かった。


「でも、そんなことあたしに言っていいわけ?それ機密情報なんじゃないの?」


ニヤリと笑って山崎を見ると、汗を拭っていた山崎がふいっと視線をそらした。


「別にええ。お前、ホンマに何でもなさそうやからな」


素っ気なく言い捨てられた言葉に、あたしは少しだけ嬉しくなった。

そっか、そっか……。


「やっぱ山崎さん、いい人だね」

「はぁ?」

「それ、あたしのこと信じてくれるってことでしょ?」


あたしのにやっとした笑顔を見た山崎は、
すごく嫌そうに顔を歪めて、

「べつに、信じるとか信じないとかじゃない。疑いがないって言ってるだけや!」

と鼻息荒く言ってきた。ふ〜ん。


「やだなー。そんな嘘じゃ誤魔化されませんよー」

「お前ほんっまに腹立つな」

山崎はひくひくと動く口元を隠すこともせず、あたしを苛ついた目で見下ろした。