布団から出て、静かに障子を開けた。 月の光が差し込む。 真っ暗な空間から出たから、眩しさに目を細めた。 さわさわと、少し前より涼しくなった風邪が、あたしの体にまとわりつく。 あたしは縁側に座って、手を後ろについて空を見上げた。 こうして何もしていないと、宵の出来事を思い出してしまう。 『醜い目よの』 さっきはただ、怖かった。 でも今は、ひたすらムッとしている。