「…………あ、何かこれイイ感じ」
あれから続けて二十本くらい持たされて。
疲れたというよりは飽きてきた頃。
手のひらにピッタリと馴染む、何と言うか…………〝自然〟な刀を見つけた。
これが、体で選ぶって事かな。
そんなに重くないし、長さもイイ感じ。
長すぎると、室内戦では不利だって話だけど、
短すぎても突きとか届かないし…………使う前から使ってる時のことを考えても仕方が無い、と割り切った。
キラキラと白銀に輝く刀を光に照らして見つめていると、
「主人、これで頼む。脇差もつけてくれ」
と店の人にお代を払っていた。
あ、払わなくちゃ───と思ったけどお金も持ってないし、開いた口をそっと閉じる。
手に持った刀を眺めて、ぼんやり考える。
…………これ、一体いくらするんだろう?
この時代のお金の単価も知らないし、どうせ分かんないんだけど…………安くはないよね。絶対。
だって、人を斬る道具だもん。安いはずがない
。

