「んー、これ?」
「そんな適当ではダメだ」
「分かってますけど、分かんないんですよ」
「それでも真剣に選べ。刀は目で選ぶんじゃない、体で選ぶんだ。
お前の命を守る物だ。
適当に選べばその分適当に死ぬぞ」
「……………」
…………反応に困ることを言われた。
つまり、ちゃんと選ばねぇと犬死にすんぞ。と脅されているらしい。
(そりゃ、分かるけどさー。真剣なんて選んだことないのに、分かんないよ)
困りながら、近くにあった刀を一本取り出し、構えてみる。
…………何か重い。却下。
こっちは……………軽いけど短すぎ。却下。
じゃ、これ?
…………何となく、違和感。
「…………斎藤くぅん」
「…………仕方ないな……」
傍観を決め込んでいた斎藤は、あたしがあまりにも分かっていないのを見て、
呆れながら壁から背を浮かした。

