「もらえないですねぇ」
「何で?」
「何でも何も、副長の指示らしいですから。
何考えてるんだか」
〝しっかり働け〟みたいなこと言っておいて、仕事を与えないとか。
決して人数が多いわけでもないここで、あたしってば持て余されてない?
「…………ああそうか。眞希ちゃん、まだ刀がないんだね」
「え」
しばらく黙り込んだ沖田は、思いついたように口を開いた。
刀。
「そんなんじゃそりゃあ出してもらえないね。
武器がないんじゃ、いくら君でも死ぬから」
「…………」
ちょっと今、笑われた気がする。
おかしそうにとかじゃなく、何か、馬鹿にされたような。
ムッとする。
しょうがないじゃないか、何も分かんないんだから。
刀がないから、あたしはどうしたらいいっていうんだ。
「大丈夫だよ。刀なら、とても詳しい人がいるからね。
俺が言っておくから、一緒に行って見立ててもらうといいよ」
「…………ありがとうございます」
何だか良く分からないが、刀を持つための下ごしらえをしてくれるようだ。
さっきから、妙に刺々しい言葉。
やっぱり普段と違う。
何を考えているかわからないのは、沖田も同じだ。

