「アンタらの為にあいつらに頭下げるなんかごめんやし、そもそも謝る必要なんかない。
喧嘩売ってきたのもあっちやし、先に手ぇ出してきたのもあっちや。
何であたしだけが悪者みたいにならなアカンの」


『アンタらの為に頭下げるなんかごめん』

…………そういった瞬間に、土方と沖田の顔が険悪なものになったのは言うまでもない。

土方はいつもの事だけど、沖田が反応するのは珍しいことだ。


基本物事に執着しないらしい沖田が唯一執着しているものといえば、近藤関連のものだけである。

あたしが言ったアンタらの中身は、まぁ近藤のことも含めて言ったので。


沖田が怒るのも無理はないのだろう。


でも、あたしだって怒ってる。



「だから、お前は新見が喧嘩を売ってきた時点で買わずに流してたら良かっただろうが!
後で芹沢さんに言われた時に、頭を下げることになるのは近藤さんなんだよ!」

「───っ」


流す、だなんて。


「…………じゃあ、アンタは、理不尽に傷付けられそうになってる人を見て見ぬフリしろって言うわけ?」


…………あの状況で、出来るわけないじゃないか。