「………………」



おかしいな。




「……怪しいな」

「えっ、何が?」


眉をひそめるあたしに、藤堂がビックリしたように振り返る。


今、縁側に座ってのんびりしている、緩やかな昼下がりだ。


「何か今日みんな怪しくない?
やけに挙動不審な気がするんですが」

「き、気のせいだろ!だいたい、浪士組ってみんな変な奴ばっかだろ!」

「あ、そうかもー」

「オイ」


なんだよ、とブツブツ言いながら去っていく藤堂の背中を、無言で見つめた。


…………フン。


「馬鹿だね。そう簡単にあたしを騙せるわけあるか」

肩頬を上げて皮肉に笑う。

藤堂くん。君はやましい事があると瞬きの数が異常に増えるんだよ。

そしてつい今そうだった。結論、君はあたしに隠し事をしている。

そしてきっとそれは他の連中もだろう。


「なーに企んでんだか」

あたしはお茶を飲み干して、縁側にゴロンと寝転がる。


…………しばらく警戒しとくか。