「本当に宮本を試すんですか?あのじゃじゃ馬、何仕出かすか分かりませんよ。今から嫌な予感がするんですけど」


永倉はげんなりとした風に言う。

「わはは!永倉君がそこまで言うとは、宮本君はとても魅力的な人物らしいな!
尚更試したくなってきたよ」

近藤はデカイ口を大きく開いて、豪快に笑う。


「仮同志として充分な期間は過ごしただろう。実力はあるのに、いつまでも小間使いにはしておけまい。
あの女の本当の力量、試してみようじゃねぇか」


土方は意地悪くにやりと笑う。人の悪い笑みだ。

永倉は察した。きっとこの計画には、少なからず土方の私情が混ざっていると。


「……副長。押し入りをするのは分かりましたが、具体的にはどのような」

「ああ。いつも通りでいい。近いうち、夜中に宮本が眠った頃を見計らって押入れ。
それに対して奴がとった行動によって、この後の処遇を決める」


斎藤の問いに土方がすらすらと答える。
斎藤は「承知」と言い口を閉じた。


「土方さん土方さん!誰が襲うんですか?」

「おい総司。その言い方だと別の言葉に聞こえるからやめろ。まぁ、永倉・原田・斎藤あたりがいいんじゃねぇか」

「げっ……」


最悪だ。