武士道セブンティーン!!



山崎は傷口も塗り薬と包帯(さらし)を巻き、手早く手当てをしてくれた。

綺麗に巻かれた包帯に目を丸くする。


「あんた上手いね。誰かさんとは偉い違いだ」

「俺の事を言ってんのか」


土方の言葉をガン無視して、山崎に向き直る。


「手当て、ありがとう」

「別に」

あたしを見ずに、山崎は包帯やらを片付けながら素っ気なく呟く。


「蹴られたらしい腹は、薬をやるから自分で塗っておけ」

「ん」

立ち上がり部屋を出る前に塗り薬を投げられた。

それをキャッチして顔を上げたら、もう奴の姿はなかった。

(…………早くね)


「さて、と。土方さん、さっさと話しましょうよ。俺、眠いんで」


沖田は大きく欠伸をしながら伸びをした。

「部屋戻って寝てくりゃいいだろ。つか何で
ここ居んだよ」

「だって面白そうじゃないですか」

「帰れ」


「……は?話って何のことですか」


あたし連行されてきただけなんですけど。

「眞希ちゃんは “不逞浪士に追いかけられていた” という事で連行という名目で連れてきました」

「そうか」

土方ははぁぁ、と深いため息をついて、頭を抱えた。

何でため息ついてんの。つきたいのこっちなんだけど。