その日は入りくんだ路地で、怪しい浪士数人を発見し、斬り合いをしていた。 前から来る敵を斬り伏せ、刀の血を払って飛ばした隙に、後ろから斬りかかられた。 一瞬遅れたが、どうってことない。すぐに体勢を立て直し刀を振ろうとした時に。 「こんの卑怯もんがぁ━━ッ!」 甲高い、怒声のようなものが響き、鈍い音の後に、ぐぇっと呻き声を聞いた気がした。 「………」