低い声をかけられた。もしかしてあたし? もしかしなくても彼の視線はあたしに向いている。 しつこく自分を指差すと、こくりと永倉が頷いた。 「通りすがりの女子高生ですが」 「じょし……?女なのか?」 「はぁ?失礼だな、どっからどー見ても女でしょうが」 目を丸くする永倉に、あたしは眉をひそめて腕を組む。 永倉は無言であたしのぶん投げたスポーツバックを手に持って近付いてきた。 「あ、ありがと………」 バックを受け取り、肩に掛けようとした時、首筋にひやりと冷たいものを当てられた。 ( え )