ダンッ!


「………っ、」


いきなり胸ぐらを掴まれたと思ったら、遠慮なく壁に叩きつけられた。

予想はしてたけど、加減無しに力ずくでやってくるとは。一応女だぞあたしは。

痛む背中を顔には出さないように、表情を消して土方を見つめる。


「……何か?」

「オメェだろう、あれ」

「ご名答。よく分かりましたね」

「オメェしかいねぇだろうが、あんな悪質な嫌がらせ」

「沖田さんかもしれないじゃないですか」

「総司の悪戯は俺の前でしかしない。
俺が居ねぇ時を謀ったようなやり方、あんな頭カラな野郎には出来ねぇししねぇよ」

「悪質なのは否定しないんですね」

「あいつが悪質なのは無邪気から来る産物だ」

「あれは無邪気じゃないだろ」


あたしの言葉を丸無視して、土方は着物の袂を掴む力を強めた。