竹刀を正眼に構え、藤堂を見つめる。 静かな道場に、誰かの息を飲む声が聞こえた。 「………始め!」 その合図に、強く足を踏み出し気合いと共に竹刀を振る。 藤堂にはそれを当たり前に交わされて、 素早い動きで掛かってきた。 「やぁっ!」 「たぁぁぁっ!」 強い相手。 この女顔が“幹部”というのは本当だらしい。 やってみて分かる。 血がたぎる。 体が高揚する。 自分と同等、またはそれ以上。 強い相手とやり合うのは楽しくて仕方がない。