「? 何ですか」

不躾に眺めてくる視線にイライラしてきた。

多少尖った声音で聞くと、沖田はキョトンとした表情で言った。

「……それ、剣道の胴着?」

「え?あ、はい」

「眞希ちゃんの?」

「そうだけど」


何?

そんなに珍しいか?


目を丸くしている沖田。

「剣術習ってるの?」

「はぁ。まぁ、たしなみ程度に」


とは言いながら、ぶっちゃけたしなみ程度ではないと自負している。

コイツらがどの程度強いのか知らないが、
そこらの男に負けるほどあたしだって怠けてきたつもりはない。