「ぐごーぐごーっ」

「……。」


「ぐごーっ…がっ」


耳元で途切れがちに轟音が聞こえる。



「…ったく起きちまったよ。相変わらず、とっつぁんのイビキはうるせぇな。」


目を横に向けると小さな窓からは、うっすらと太陽の光が差し込んでいた。


俺は寝起きの一服をしようと、鞄の中から煙草を取り出した。


「…あと3本しかねぇな。」


呟きながら、フィルターを外して改造した、禁煙パイプにシケモクを押し込んで火を付ける。


「んー、…やっぱりメンソールは好きじゃないな。」


くわえ煙草をしながら、家の端に備え付けてある灰皿兼便器で用を足した。


ジャーッ

ついでに煙草も一緒に流した。


もう一方の端にある簡易手洗いで洗い、ブンブン手を振って手を乾かす。


腕時計のアラームがやかましく、規則的な音で朝5時を知らせた。


「もうこんな時間か。…とっつぁん、起きな!」


俺はとっつぁんの肩を揺すった。


「んご~…っんあ、……朝か?」


「そう、朝だよ。ホラ、早く仕事に行かないといいの採られちゃうよ。」


「…あー、そうだな…。」


目をこすりながら欠伸をとっつぁん。


また長い1日が始まる