靴箱の中に小さな桃色の便箋。

“貴方のことが好きでした”

真ん中に、一文だけ、控えめな文字で綴られた言葉。

送り主を見てしまった。

右胸に赤い花を付けた卒業生。

名前もクラスも知らない。

もう会うこともないだろう。

だから過去形。

答えはいらない、と。

それはとても狡い告白。