カップを手に取りオレンジティーを口にする4番目。

こくりと、一口飲んでほっと溜め息をつくと、次第に自分を理解できたようで虚ろな目から一点。


大きな目をパチパチさせて、すぐに怪訝な表情となった。



「……『否定』ねぇ…。ああ、なるほど、思い出したよ。

僕は4番目の【失望】。それが名前さ。呼びにくいなら4番目でいいよ」



少しツンとした態度。さきほどの大人しい4番目はどこへやら。

しかしオカシイ。

クロネコと出逢う前の4番目と、なんら変わりないではないか。



「ん~、記憶はまだ曖昧だけど。ま、いっか。いつものことだしね。

どうせ、記憶が消えても支障はない。だって、世界は変わらず愚かなままで、僕をいつだって【失望】させるから」



どうやら記憶が抜けた様子の4番目。


やはり、変わることなど無理なのだろうか?