「……ねぇ、クロネコ…」


「あれ、『さん』付けしてくれないんだ~?ちぇ~」


「クロネコ……さん。あの、あのねっ、僕っ…………

………あ、」


「え?なになに?どうし………」



お互い言葉を続けようとするも、それは唐突に遮られる。

突如として出てきた霧によって。


それは次第に4番目の体を包み込み、どこかへ連れ去ろうとする。

思わず4番目が手をのばすとクロネコもその手を掴もうと手を伸ばすが……


ーすかっ……


「あ……」


その手は掴まれることなく、霧は4番目を包み込んでしまった。


それでも4番目はなにかを伝えようと口を開き、………霧に隠され消えてしまった。