―――容赦なく吹き付ける風雨に島の景色が歪む。


 嵐は呆気なくこの小さな島を飲み込み、そして通りすぎていく。



 いつものことだ。そして、何も変わらない。


 しばらくすると、また島は元に戻り、人々はそれまでと同じように日々を過ごしていく。



 俺と笙子は、果たしてどうなんだろう。


 このままずっと、何も変わらずにいられるのだろうか。