だからさ、ほら、言ってるじゃん。




「…世界征服するしか」

「だから、なんでだよ!」

「世界を平和にするんだよ」



 不満しか残らない、理不尽も不平等も、ぜんぶなくなればいいじゃない。
 不満ばっかりじゃない。

 他の誰も動かないのなら、あたしがやるしかないでしょ。



「日向……」



 ついに、チカのあたしを見つめる目が、あわれみの目になった。こいつめ。
 また牛乳を飲み始めた。まだあったの。



「これから世界を征服するあたしになにか言葉ないの」

「今後 お前との関係をどう切っていこうか考えてる」

「アハハ、チカの血液ぜんぶ牛乳色に変われ」

「何それこわい」



 耳慣れたチャイムが鳴りひびいたことで、ここが、そんなキュウクツな場所、学校の屋上だったことを思いだした。

 あらら、お弁当を片づけなくちゃ。