俺は、霊が見える体質らしい。


俺の、母親も見えたという。


両親はすでに他界した。


一応、霊と本当に生きている人間が区別できるくらいには霊感がある。



害がなきゃ霊とも話すし、供養もする。


母親と父親の霊には、あってない。


まぁ、本当に天国があるかはわからんが、成仏してくれていると信じている。



母親は、見える俺のために、数珠をおいていってくれた。


赤と青と黒の綺麗な数珠だ。いつも、腕につけている。







俺は朝が、好きだ。
空気が澄んでいるから。


朝早くの屋上は、格別だ。



はやく行って、ゆっくりしよ。


[起きたねぇ、じゃぁあたしは、行くよ。……れーじぃ………今日身の回りに、気をつけてねぇ…]


珍しく、心配そうな顔で、言った。


「……ん、わぁーった」


……どうしたんだろう。




いつもは、そんなこと言ってかねーのに。