はやく俺を、好きになれ。

「は?帰るの?」

「ッたりめぇだろ。真優が拗ねると後が面倒だ」

「あ、なら変わってくれない?僕が真優ちゃんと行くから陽はこの女を見ててよ」

「バァーカ。テメェの撒いた種ぐらいテメェでどうにかしやがれ」

「女の子は好きなんだけどね。従順じゃない子は嫌いだよ」



葉とそんな会話をしていると真優は葉の腕に引っ付く店員に声をかけた。



「お姉さん頑張ってね!」

「――え?」

「葉君のこと好きなんでしょう?なら簡単に諦めたら駄目だよ!」

「ちょ、真優ちゃん!?」



真優の言葉は正論だがいまの葉にとってこれ程までに面倒なことはないだろう。慌てて真優を制する。しかし既に時遅し。涙目だった女は真優を見て大きく頷いた。